マルチクラウドに向けたクラウド スタック統合
- 2022年3月3日
Gartner® は、「2025 年までに、複数のクラウド プロバイダーを使用する企業の 35% が単一のネットワーク スタックを使用するようになる。これは 2021 年から 10 倍以上の増加となる」と予測しています。この予測は貴社にとって何を意味するのでしょうか?
「Gartner の 2020 年クラウド エンドユーザー購買行動調査は、テクノロジー リーダーがクラウド テクノロジーの購買、更新、使用に対してどのようにアプローチしているかを把握するために実施された。この調査は、2020 年 7 月から 8 月にかけて、アメリカ、カナダ、英国、ドイツ、オーストラリア、インドの回答者を対象にオンラインで実施された。850 名の回答者を対象に調査を行い、そのうち 724 名が、自社でパブリック クラウド、ハイブリッド クラウド、マルチクラウドのいずれかのインフラストラクチャを使用していると回答した。724 名の回答者のうち、24% が 1 つのプロバイダーのみを使用、13% が一次プロバイダーなしで複数のプロバイダーを使用、63% が 1 つを一次プロバイダーとして、複数のプロバイダーを使用と回答した。」
この調査から分かったことは、マルチクラウドの人気が高く、標準になっているという事実です。マルチクラウドが 2 つ、3 つだけでなくさらに多いクラウドを意味するようになるにつれて、クラウド ネットワーキングは複雑化する一方です。Gartner は『Predicts 2022: Connecting the Digital Enterprise (2022 年予測: デジタル エンタープライズの接続)』レポートで「顧客のパブリック クラウド ネットワーキングとマルチクラウド ネットワーキングに寄せる関心は、過去 15 か月に劇的に増大した」と述べていますが、これは、パブリック クラウドプロバイダーのネイティブなネットワーク機能が大きく異なり、一部のユースケースには不十分であることが一因です。
『Gartner Predicts 2022: Connecting the Digital Enterprise (2022 年予測: デジタル エンタープライズの接続)』をダウンロードしてください。
「クラウドにおける」ネットワーキングの課題
大手クラウド プロバイダーから提供されるインフラストラクチャやサービスは、元々、マルチクラウド環境でシームレスにグループ作業をする目的で設計されたものではありません。Google Cloud、Oracle Cloud などのプロバイダーが、IT 部門の IaaS ポートフォリオの二次または三次クラウド プロバイダー ビジネスの獲得に営業や製品化の努力を傾けたのは、ここ数年のことです。マルチクラウドの普及に伴い、マルチクラウドのユース ケースも急増しています。
2 つの異なるクラウド プロバイダーにデータ セット用ストレージがあり、両方のプロバイダーのデータ セットを必要とする 1 つのアプリケーションをサポートすることを想像してみてください。1 つのクラウド プロバイダーから提供されるネイティブ ネットワーキングが、もう一方のクラウド プロバイダーが提供するネットワークと一致せず、パフォーマンスや信頼性に問題が生じる可能性があります。Gartner は、「(大規模なオンプレミスのインストール ベースを持つ) 大手ネットワーキング ベンダーから提供される仮想ルーターやアプライアンスは、特にプログラマビリティ、クラウド統合、ライセンスに関するクラウド ームや DevOps チームの要件を満たさないことが多い」と述べています。
クラウド間接続
マルチクラウド ネットワーキング パフォーマンスの強化に伴うこうした問題は、クラウドのように構築され、柔軟な従量課金制の価格設定、オープン API、簡単なプログラマビリティを備えた、通常はソフトウェア定義ネットワーキングにより提供されるクラウド ネットワーキング オファリングの新しい市場の誕生につながりました。
当社の仮想ルーター オファリングである Megaport Cloud Router (MCR) は、企業のクラウド環境での相互接続をサポートし、オンプレミス データ センターにデータ トラフィックを U ターンさせる必要性を低減します。MCR ユーザーは物理インフラストラクチャを所有する必要がなく、ルーティングや構築は Megaport Portal からすべて行えます。
このマルチクラウド ネットワーキング技術の新興市場は、「新規参入者が多く、変化と革新のレベルが高いダイナミックな市場」になると Gartner は予想しています。同社は、さらなるネットワーク俊敏性を必要とし、絶えず変化するビジネス環境に対処するために、企業は新しい技術への柔軟な短期投資 (従来のネットワーク プランニング サイクルでは 3~5 年であったのに対し、1~3 年) を行うことを提案しています。
Cloud Center of Excellence
当社の顧客が多くの地域にまたがる分散ネットワーク全体で複雑なマルチクラウドの構築に対処する方策の 1 つとして、Cloud Center of Excellence (CCoE) により標準化、一貫性、コスト管理を実現することがあげられます。
CCoE は、拡張可能なクラウド採用と移行プランニング用のガバナンス モデルを提供します。これには、マルチクラウド ネットワーキングやサイバーセキュリティなどの分野を含む再利用可能なアーキテクチャ標準とベスト プラクティスが含まれることが多く、移行をより簡単、迅速、かつコスト効率の高いものにするために設計されています。
当社の顧客の中で CCoE を採用した企業の模範例と言えるのが NXP です。同社は、超巨大企業でクラウド採用と革新を加速するために、Megaport 接続の機能を活用しました。
Cloud Center of Excellence の構築方法」から2
クラウド ネットワーキング スタックの統合
Gartner は、マルチクラウドの新しい、ますます複雑化するネットワーキング要件を満たすために、クラウド ネットワーキングの需要が急速に高まると考えているようです。同社は、複数のクラウド環境の内部で設計、構築、運用を可能にし、一貫したセキュリティ ポリシー、ガバナンス、可視性を実現する新技術を期待しています。
マルチクラウド ニューノーマルにおいて、クラウド間やクラウド内部で信頼性、予測性、一貫性のあるネットワーク接続を確立するための問題を解決することは、来年度の数多くの刺激的な展開のひとつになるでしょう。
クラウド スタックの統合の詳細については、Gartner Predicts Report をダウンロードして、究極のハウツー ガイドをご覧ください。
1 Gartner®, Predicts 2022: Connecting the Digital Enterprise, By Andrew Lerner, John Watts, Joe Skorupa, 2 December 2021.
2Gartner®, How to Deploy a Cloud Center of Excellence, By Maggie Schroeder-O’Neal, Lydia Leong, 21 January 2021.
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