SD-WAN がエンタープライズ ネットワークを向上させる仕組み
- Cloud networking
- 2021年4月9日
SD-WAN 市場は 2025 年に 40 億米ドルを超える見込みです。ここでは、テクノロジーがどのようにエンタープライズ ネットワークの将来を支えるかを検討します。
新型コロナウイルス感染症がまん延する以前、Software-Defined Wide Area Networking (SD-WAN) 市場は成熟の兆しを見せはじめていました。今では、自宅勤務がオフィス勤務と同程度に広がったため、エンタープライズ ネットワークのニーズは変化を遂げました。従業員が世界中のどこからアクセスするかに関係なく、高速で安全な信頼性の高い接続が求められます。
9 時から 17 時までのオフィス ライフスタイルが戻る気配もなく、企業は、複数の拠点やクラウド プロバイダーにまたがり複雑で常に変化するデータ要件を処理するために、自社のネットワークを最適化する必要があります。そこで急激に台頭してきたのが SD-WAN です。Dell’Oro Group では、今後 5 年間の全世界における SD-WAN テクノロジーの売上は、年平均成長率ベースで 24% 上昇し、2025 年には 40 億米ドルを超える市場になると予測しています。
「Telegeography の 2020 年度 WAN マネージャー調査」によると、調査に参加したマネージャーのおよそ 3 分の 2 は、SD-WAN を導入済み、または試験運用中/展開中と回答しました。Megaport が Cisco と共同開発した Megaport Virtual Edge (MVE) があれば、Megaport が世界中に展開する Software Defined Network (SDN) で SD-WAN コントローラーをホスティングすることで、企業は自社の SD-WAN 接続を増強できます。また、ブランチからクラウドへのオンデマンド接続を確立することで、データの転送距離を縮めることも可能です。
Megaport は、ブランチからクラウドへの接続を提供するオンデマンド NFV サービスである Megaport Virtual Edge (MVE) を発表しました。
SD-WAN の仕組みと、その導入を検討する必要がある理由について、詳しく説明します。
SD-WAN の説明
簡潔に言うと、SD-WAN はワイドエリア ネットワークに対するソフトウェア定義型アプローチです。
SDN はローカル ネットワークに限定されますが、SD-WAN はかなり広域の地理的規模で SDN を実装します。さまざまな拠点を結ぶ接続を求めている企業は、特にリモート ワークの時代では、SD-WAN ソリューションを自社のエンタープライズ ネットワークに適用することで恩恵を受けます。
SD-WAN は、ブランチ、ハブ、データ センター、ホーム オフィス、販売拠点、モバイル デバイス、コンシューマー/産業用 IoT などの複数のネットワーク エンドポイントを集中的に管理する機能を企業に提供します。SD-WAN は WAN のセットアップと管理を簡素化し、企業のネットワーク管理者が 1 つの管理コンソールを使用するだけで、ルーティング決定の適用、ビジネス ポリシーの自動化、使用状況やパフォーマンスのリアルタイムの監視ができるようにします。
最近実施された Telegeography の調査によると、MPLS 接続をよりコスト効率の高いソリューションに置き換えるニーズにより、SD-WAN の構築が促進されています。SD-WAN の採用数は伸びていますが、大企業における MPLS の使用状況は過去 3 年間で 24% も下がりました。
SD-WAN の導入により、MPLS ネットワークを最新化し、ソフトウェア定義型にすることで得られる利点の詳細については、当社のブログ記事をお読みください。
利点
シンプル
従来の WAN 構築では、新しいサイトへのリンクを確立する作業は複雑で、時間がかかるものでした。SD-WAN は、ポリシー、セキュリティ、顧客の構成を顧客構内設備 (CPE) にプッシュすることで、手作業を減らし、システムおよびプロセスの管理を効率化します。さらに、SD-WAN は、1 つの管理コンソールを使うだけでネットワーク トラフィックのセグメンテーションと優先順位付けを可能にします。
管理とセキュリティ
SD-WAN では、音声、データ、ビデオ トラフィックを一元管理できるので、パス、アクセス方式、送信先をアプリケーション レベルで選択することが可能になります。これは、Software as a Service (SaaS)、クラウド、マルチクラウドの各ソリューションに最適です。単一の GUI により、迅速なセットアップと構成が可能で、統合されたワークフローがワークロードのセキュリティを保護します。
大手 SD-WAN プロバイダーは、Gartner が Secure Access Service Edge (SASE または「サッシー」) と名付けたサービスの提供を開始しました。これは、SD-WAN と、次世代ファイアウォール (NGFW) や FWaaS (Firewall as a Service) などのセキュリティ サービスを単一のプラットフォームでバンドル化するものです。
コスト効率
サイトがすべて同じ条件とは限りません。高速、低レイテンシーの光ファイバー回線が必要なサイトもあれば、低速回線で運用できるサイトもあります。SD-WAN ではトラフィックに優先順位を付けることができるため、柔軟性が高まり、コスト管理が楽になります。
これらの利点は実証済みです。Cisco の報告によれば、SD-WAN を利用することで、顧客は接続コストを 65% 削減し、ポリシーや構成変更の実装を 58% 迅速化し、予定外のダウンタイムを 94% 削減するなどの効果を得ています。
Megaport Virtual Edge (MVE) と Cisco SD-WAN を組み合わせることで、データが自社クラウドから送信されパブリック インターネットを通過する際にパブリック クラウド プロバイダーにより請求されるエグレス (送信パケット) 料金を下げることで、企業はコスト面でさらなるメリットを享受できます。
SD-WAN の導入により、広域ネットワークの管理を簡素化し、ネットワーク パフォーマンスを増強することで、リモート ワーカーはビジネスクリティカルなアプリケーションにアクセスして使用することがさらに簡単になり、企業側にもコストを削減して自社ネットワークを最新化できるというメリットがあります。